知っておきたい食中毒の基礎知識

看護師は、様々な疾病の知識が求められますが、数ある疾病の中でも知っておきたいものの一つに、身近な食中毒があります。
食中毒と一言でいっても、細菌性のものやウイルス性のもの、化学物質や自然毒、寄生虫など、食中毒の原因にはいろいろなものがあるので、看護師はそれぞれの食中毒の症状についてきちんと理解しておくことが大切です。

例えば、細菌性食中毒には、カンピロバクターやサルモネラ菌のように感染型のものがある一方で、黄色ブドウ球菌やボツリヌス菌のように毒素型のものもあります。
前者の場合には比較的嘔吐の症状は軽めですが、腹部に強い痛みを感じやすいのが特徴です。
また、後者の場合には、嘔吐や下痢を伴うケースが一般的であり、長期にわたると脱水症状を起こしてしまいます。
それから、自然毒による食中毒の場合は、貝毒のように身体に麻痺や下痢を生じさせるものがある一方で、ふぐ毒のように死に至るほどの強い麻痺をもたらすものも存在します。
さらに、毒キノコに含まれる毒素の中には、溶血や急性脳症、肝不全などを引き起こすものや、シガテラ毒のように神経系を破壊する作用を持つものもあり、いずれも非常に重篤な症状をもたらす可能性が高いと言われています。

ですから、食中毒について学ぶときには、あらゆるケースについて目を向け、代表的な症状を知ることがポイントです。
そして、実際に食中毒を疑う患者と接するときには、患者の様子をしっかりと観察をして、医師に伝えることを忘れてはいけません。